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【大阪・関西万博2025】チェコパビリオンが魅せる“木”の未来

【大阪・関西万博2025】チェコパビリオンが魅せる“木”の未来──自然と共生する最先端建築のかたち

 2025年の大阪・関西万博で、ひときわ目を引く建物があります。チェコ共和国が出展する「チェコパビリオン」です。ぐるりと回りながら上っていくらせん状の形は、未来的でどこか詩的。それを支えるのは、なんと「木」です。

実はこの建物、木材をふんだんに使った世界最先端の木造建築。自然との共生やサステナブルな社会の実現を象徴する“木のメッセージ”が込められています。

この記事では、チェコパビリオンにおける木材の活用、環境への配慮、施工の工夫、日本との連携、そして万博後の未来について、わかりやすくご紹介します。

 

設計思想:「人生の旅路」を形にした建築

 チェコパビリオンのテーマは「人生という旅」。そのコンセプトを象徴するのが、建物の中心を貫くらせん状の木製通路です。

訪れた人は、自然光と映像演出が交差する空間を、ゆっくりと歩きながら上っていきます。これは、人生のアップダウンや転機を象徴するような設計。チェコの建築事務所Apropos Architectsが、「五感と心を揺さぶる体験型空間」を目指して設計しました。日本側では、建築家の木下昌大氏が率いるキノアーキテクツ(KINO architects)が共同設計者として参画しています。

木の柔らかさと温もりを生かし、現代建築のダイナミズムと自然素材の心地よさが見事に融合したデザインです。

 

CLTでつくる螺旋──主役はチェコ産スプルース

写真:建築コンセプト – チェコ共和国 2025年世界博覧会

 

 この美しいパビリオンを支える構造材は、CLT(直交集成板)と呼ばれる次世代木材。チェコ国内の森林で育ったスプルース(ヨーロッパトウヒ)が使用されています。

CLTは、木の板を層ごとに直交させて接着したもので、鉄やコンクリートに匹敵する強度を持ちながら、軽くて環境負荷が少ないのが特長です。約1,000立方メートルもの木材が使われ、なんと鉄骨を使わずに17メートルもの高さを実現しています。

 

環境への配慮──自然と未来へのやさしさ

 チェコパビリオンは、設計から素材調達、施工、解体に至るまで、環境負荷の少ない建築を徹底しています。

  •  持続可能な木材

 使用された木材は、チェコの国有林から供給され、PEFC認証を取得済み。森林を伐採した分、植林が進められるサステナブルなサイクルの中で生産されています。

  • 海外輸送でも低炭素

 CLT部材はチェコでプレファブ加工され、コンテナ輸送で日本へ。現場での加工がほとんど不要なため、現地でのCO₂排出や廃材の発生を最小限に抑えています。

 

施工の工夫──匠の技と最新技術の融合

写真:建築コンセプト – チェコ共和国 2025年世界博覧会

 

 木造の大規模建築には、多くの技術的な課題がありますが、チェコパビリオンでは以下のような工夫が施されています。

  • 風洞シミュレーションによる耐風設計:大阪の強風環境でも耐えられる構造を、設計段階で綿密に検証。

  • 155点の特殊木部材:らせん構造を実現するため、全てが異なる特注木材が精密に設計・加工されました。

  • 金属に頼らない接合部:可能な限り木材同士で接合する設計を取り入れ、木の美しさを保ちながら構造的強度も確保。

 

日本の施工会社との連携──国を超えた協働

写真:建築コンセプト – チェコ共和国 2025年世界博覧会

 

 この壮大な木造建築を日本で実現するにあたり、日本の建築会社や施工チームとの緊密な連携が欠かせませんでした。

現地での施工を担当したのは、大末建設。チェコと日本、両国の職人たちと協力し、チェコから届いた特殊部材を数ミリ単位で調整しながら組み立てるという、高度な施工技術を発揮しました。

文化や施工慣習の違いを乗り越え、設計チームとの綿密なミーティングや現地ワークショップを重ね、“世界に一つしかない木の建築”を日本でカタチにしたのです。

この協働は、単なる建築施工にとどまらず、「自然素材を活かした国際的な建築技術の融合」という大きな意味を持ちます。

 

万博後も続く“木の物語”

 万博が終わったあと、このパビリオンがどうなるのか気になる方も多いのではないでしょうか?

実はこの建物、解体・再構築が前提で設計されています。パーツごとに分解できるモジュール構造となっており、解体後も別の場所で再建することが可能です。

将来的には、チェコ国内や他国で文化施設や教育機関、展示空間として再利用される予定。つまり、万博後もずっと“人と木が出会う場所”として、その命がつながっていくのです。

 

木の力が語る、チェコの未来ビジョン

チェコパビリオンは、単なる「万博の建物」ではありません。

それは、地球と調和する建築の未来像であり、木という素材が持つ力の可能性を世界に伝えるメッセージそのものです。

木は、温かく、再生可能で、人の心にやさしく寄り添います。その木を使って、斬新なデザインと最新技術、そして国際的な協力が実を結んだこのパビリオンは、「未来の建築とは何か?」を私たちに問いかけてきます。

 

チェコパビリオン

 大阪・関西万博2025で訪れる価値のあるパビリオンの一つ、チェコパビリオン。その魅力は、美しいデザインだけでなく、木材という自然素材を活かした設計思想、環境への配慮、そして国境を越えた協働の結晶にあります。

ぜひ会場を訪れた際には、この“木の建築”を見上げ、歩き、触れ、心でそのメッセージを受け取ってみてください。

未来は、私たちの足元に根を張る“木”からはじまっているのかもしれません。

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