職人の手が生む至高の椅子 〜チェコッティ・コレツィオーニのラウンジチェア「 D.R.D.P.」
CECCOTTI COLLEZIONI(チェコッティ・コレツィオーニ)の「D.R.D.P.」

先日、カッシーナ・イクスシー青山本店を訪れたときのこと。数々の名作家具に囲まれながら歩いていると、ふと目に留まった一脚のラウンジチェアがありました。それはイタリアの家具ブランド チェコッティ・コレツィオーニの「D.R.D.P.」。

ひと目で「これはただの椅子ではない」と感じさせる佇まいに、思わず足を止めてしまいました。
価格は正直、驚くほどのものでしたが、その美しいラインと木の温もりを宿した存在感は、とても素晴らしいものでした。
チェコッティ・コレツィオーニ

この椅子を手がけているのは、イタリア・トスカーナ発の高級家具ブランド チェコッティ・コレツィオーニ(CECCOTTI COLLEZIONI)。1956年にアヴィエロ・チェコッティによって設立されたブランドで、もともとはホテル向け家具を製作していました。
特徴は、熟練職人による木工技術と、建築的なデザインを融合させた独自のスタイルです。ウォルナットやオークなどを使い、木目の美しさを最大限に引き出しながら、滑らかな曲線や精緻な接合技術で仕上げられています。
さらに彼らの家具は、ただ美しいだけでなく、長く使えること、そして環境に配慮していることも大きな魅力です。持続可能な森林管理による木材を使用し、無駄を出さない受注生産を基本とするなど、自然と共生する姿勢を貫いています。まさに「木や森に興味のある人」が惹かれるブランドです。
D.R.D.P.というラウンジチェア

今回見つけた「D.R.D.P.」ラウンジチェア。「Double r_ve de printemps (春の二重の夢)」というフランス語の頭文字をとって名づけられたそうです。
デザインはロベルト・ラッツェローニによるもので、有機的なフォルムと洗練された構造が際立っています。
フレームは流れるような曲線を描き、まるで木が呼吸しているかのような生命感が宿っています。そして張地には ベルベット調のファブリック が使われており、淡いグレーの上品な色合いが木部の温もりを一層引き立てています。ベルベット調の柔らかな質感は、光の当たり方で微妙に表情を変え、まるで家具というより彫刻作品のような存在感を漂わせていました。
実際に腰かけてみると、有機的な形状の背もたれが身体にフィットし、安心感があります。木のフレームと張地のコンビネーションが「人と木の調和」を体現しているようでした。
木と共に生きる豊かさを教えてくれる家具

チェコッティ・コレツィオーニの「D.R.D.P.」は、価格だけを見れば簡単に手が届く存在ではありません。しかし、木の持つ可能性を極限まで引き出し、伝統と革新を重ね合わせた一脚は、まさに一生もののアートピースです。
特に今回見た有機的なフォルムは、落ち着きと華やかさを兼ね備え、空間に凛とした雰囲気をもたらしてくれるものでした。
木が好きな人にとって、この椅子はただの家具ではなく、木と共に生きる豊かさを教えてくれる存在なのだと思います。もし機会があれば、ぜひ実物を前にして、その存在感と素材の美しさを体感してみてください。
関連情報